第28回日本私立医科大学理学療法学

学会長挨拶
 近年、エビデンスに基づいた理学療法(Evidence Based Physical Therapy : EBPT)が求められています。しかし、あるリサーチクエスチョンに基づいて文献のレビューをおこなうと、本邦における研究報告のほとんどは無作為対照試験(RCT)といった研究手法は採用されておらず、効果指標さえも研究者間で統一されていないことに気付きます。このため、臨床場面で生ずる疑問に対する答えや戦略は主に欧米の研究報告をもとにして展開されているのが現状ではないでしょうか。つまり、本邦ではEBPTの重要性が叫ばれているものの、未だEBPTをつくるには至っておらず、EBPTをつくるための具体的な手法に目を向け、その基本を学ぶ段階にあると思います。
 そこで、第28回大会ではEBPTをつくるための基本的な手法を学ぶことを目標に掲げ、その取りかかりとして「理学療法の効果指標を再考する」をテーマといたしました。また、本研究会が主催する学会では通例として最新の医療技術といったトピックスが紹介されますが、第28回大会では「EBPTをつくる」を実践していくための教育(特別)講演を企画したいと考えております。本学会の企画が、皆様にとりまして、EBPTを考え実践してくためのきっかけとなることを願っております。
第28回日本私立医科大学理学療法学会 学会長 松永篤彦
(北里大学医療衛生学部 教授)

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